映画『パリの調香師 しあわせの香りを探して』は、嗅覚障害によって地位も名誉も無くした天才調香師と、離婚によって親権と仕事を奪われかけている運転手の出会いと成長を描いたサクセスヒューマンドラマです。
フランスを舞台に、日本とは違った街並み、会話やユーモアが魅力で、見終えた後にパッと明るい気分になるでしょう。
本記事では、映画『パリの調香師 しあわせの香りを探して』のあらすじをネタバレありでまとめたうえで、作品の魅力を深掘りして紹介します。
映画『パリの調香師 しあわせの香りを探して』の作品概要
タイトル | パリの調香師 しあわせの香りを探して |
時間 | 101分 |
制作年 | 2019年 |
配給会社 | アットエンタテインメント |
監督 | グレゴリー・マーニュ |
映画『パリの調香師 しあわせの香りを探して』のキャラクター・キャスト
映画『パリの調香師 しあわせの香りを探して』のキャラクターとキャストの一覧は、以下の通りです。
キャラクター | キャスト |
---|---|
アンヌ・ヴァルベルグ | エマニュエル・ドゥボス |
ギヨーム・ファーヴル | グレゴリー・モンテル |
バリェステル先生 | セルジ・ロペス |
アルセーヌ | ギュスタブ・ケルベン |
レア・ファーヴル | ゼリー・リクソン |
ジャンヌ | ポリーヌ・ムーレン |
映画『真夜中のピアニスト』出演のエマニュエル・ドゥボスさん、ネットフリックスオリジナルドラマ『エージェント物語』出演のグレゴリー・モンテルさんなどがキャスティングされています。
フランス映画やフランスのTVシリーズをよく見る方は、見たことがあるキャストが登場するでしょう。
映画『パリの調香師 しあわせの香りを探して』のあらすじ(※ネタバレ含む)
画像参照:「シネマトゥデイ」YouTubeチャンネルより筆者キャプチャ
ここからは、映画『パリの調香師 しあわせの香りを探して』のあらすじを紹介します。
物語の重要な部分にも触れているため、未見の方はご注意ください。
映画『パリの調香師 しあわせの香りを探して』のあらすじ①
世界中で愛されるクリスチャンディオールの代表する香水「ジャドール」を生み出した天才調香師・アンヌは、類まれな才能を生かして地位も名誉も確立します。
好きな仕事で成功を収める完璧な人生は順風満帆と思われた矢先、多忙な生活に次なるヒット作を生み出さなければならない極度のプレッシャーにより嗅覚障害を引き起こすことに。
調香師として致命的な嗅覚障害になったことで、一時的に職を離れ治療に専念し、なんとか回復します。
しかし、4年に渡る治療期間のブランクは、アンヌの持っていた地位をすべて奪う原因となり、自信をなくしてしまいます。
香水作りの職には戻れず、高級アパートで暮らしながら、トイレやカバンの匂いを改善するような仕事しかできなくなっていたのです。
一方、離婚調停で愛娘・レアの親権をめぐって裁判をするギヨームは、臨時運転手として生計を立てるものの、度重なる違反により運転手の仕事がクビになりかけていました。
そんな中、ギヨームは最後のチャンスとしてアンヌの専属運転手の仕事を獲得します。
娘の親権を得るためにもうまくやろうとしますが、アンヌは運転以外に、荷物運び、シーツ交換など雑用を押し付け、調香師の仕事の邪魔になるという理由で禁煙を強要する始末。
先が思いやられるギヨームでした。
映画『パリの調香師 しあわせの香りを探して』のあらすじ②
ある日、夜遅くまで調香の仕事を手伝わされていたギヨームは、そのままアンヌを自宅まで送り届けます。
アンヌが車から降りてアパートに入ろうとした瞬間、アンヌは見知らぬ男に襲われ、手持ちのバッグを奪われてしまいました。
それを見たギヨームは、すぐに車から降りて、男を追いかけ、力づくでアンヌのバッグを奪い返します。
しかし、ギヨームに感謝するどころか、見知らぬ男に無防備で襲いかかったことを説教し始めるアンナ。
腹を立てたギヨームは、後先考えることなくアンヌを罵倒し、その場にバッグを置いて怒りに震えながら帰っていきます。
当然、専属運転手としてクビになると想定していたものの、翌日アンヌから運転の依頼をされて困惑しつつも、レアと暮らすために必要な金を稼ぐためにアンヌの自宅へ向かいます。
すると、これからは「運転手」としてではなく、アンヌの仕事に同行する「マネージャー」として雇われることになったのです。
アンヌのすぐそばで調香師の仕事を見ていると、徐々に悪い匂いを別の匂いでかき消す繊細な職業に興味を持ち始めたギヨーム。
仕事に同行しながら、アンヌと一緒に数々の香料を嗅ぎ、調香の奥深さに魅了されていきます。
映画『パリの調香師 しあわせの香りを探して』のあらすじ③
アンヌが招待されたパーティーに同行することになったギヨームは、その会場で、初めてアンヌがクリスチャンディオールのジャドールを作った調香師であることを知ります。
驚きつつも、普段の生活では踏み入れることのない業界のパーティーで、ギヨームは誰とでも会話を楽しみ、特別な時間を満喫します。
アンヌは、素直で社交的なギヨームの姿を見て感心するのでした。
徐々に心を許すようになった二人は、互いの過去を打ち明けあいます。
ギヨームは、自分の父親が草むしりで生計を立てており、幼少期から決して恵まれた家庭で育ったわけではないことを話します。
さらに娘と一緒に暮らすには1ルームは狭すぎると裁判で指摘されたため、定職につくために模索していたのです。
アンヌは初めていつも明るいギヨームにもそこ知れぬ苦悩があることを知ります。
ギヨームは、アンヌが嗅覚を活かせない今の仕事に不満を抱えていると聞いた上で、アンヌの悪い癖を指摘します。
アンヌは、他の人よりも鼻が効く才能を持っているものの、いつでも匂いだけで相手を判断する癖があったのです。
「匂い」以外の部分で他人を見れるようになるべきだと言われたアンヌは、立ち寄ったドライブインのウエイトレスに目を見て感謝をし、自分の悪い部分と向き合う決意をします。
ある夜、一人で羽目を外しすぎたことで匂いの違いを感じられなくなってしまったアンヌは、ギヨームに助けてもらい仕事を終わらせることができました。
映画『パリの調香師 しあわせの香りを探して』のあらすじ④
仕事を終えた帰りの車で、アンヌは睡眠薬を過剰摂取してしまい、そのまま意識をなくします。
完全に意識がなくなっているアンヌを見たギヨームは、彼女を助けたい一心で車を飛ばし、病院へと連れて行くことに。
病院で診断を受けたアンヌには異常がなかったものの、道路の管理カメラでスピード違反が発覚してしまったギヨームは、違反切符を切られて運転免許を停止されてしまいました。
運転ができなくなったギヨームは、アンヌのマネージャーとして働くこともできないと気づき、アンヌには連絡することなく、父親と同じ草刈りの仕事を始めます。
娘との生活を諦めそうになっていたギヨームの前に現れたのはアンヌです。
アンヌは、ギヨームには香りを嗅ぎ分ける才能があることに気づいており、彼女のアシスタントとして正式に雇うことを決めました。
定職についたギヨームは、引越しの必要もなくなり、親権を失わずに済みました。
ある日、「親が教師になって授業をする」という特別授業で、香りについて子どもたちに教えることになったギヨーム。
教室には、誇らしげにギヨームを見つめるレアがいました。
映画『パリの調香師 しあわせの香りを探して』の魅力
画像参照:「シネマトゥデイ」YouTubeチャンネルより筆者キャプチャ
映画『パリの調香師 しあわせの香りを探して』の魅力は、以下のとおりです。
映画『パリの調香師 しあわせの香りを探して』の魅力
- 主人公アンヌの成長
- ギヨームとレアの親子関係
それぞれの魅力についてお伝えします。
映画『パリの調香師 しあわせの香りを探して』の魅力①主人公アンヌの成長
映画『パリの調香師 しあわせの香りを探して』最大の魅力として、主人公・アンヌがギヨームと出会うことで大きく成長して行く点が挙げられます。
もともと、彼女は人よりも鼻がよく効く才能を持っており、その才能を生かして調香師としてのキャリアを確立します。
もちろん、才能は持っていましたが、彼女がクリスチャンディオールを代表する香水を生み出せたのは、努力や惜しみない労力があったからです。
しかし、アンヌは聴覚障害になったときに、誰にもSOSを出せずに一人で乗り越えようとした結果、失敗してしまい、周りにいた人たちが離れて行った過去を持ちます。
一瞬にして離れて行った人たちを見て、アンヌは人間不信になったでしょうし、自分の価値は香水を作れるかどうかで決まると思い込んでしまったのでしょう。
そんなアンヌを救ったのが、彼女と比べれば何も持たないギヨームでした。
ギヨームは、アンヌの過去を知らないからこそ、純粋に調香師の仕事に魅了され、彼女の「匂い」に頼りすぎる悪い部分を指摘して、人として成長させます。
大人になると結果だけが求められてしまい、自分を変えたり、より成長することが難しくなりますが、今一度自分を見つめ直すきっかけになる作品となっていました。
口下手なアンヌがウエイトレスにぎこちなさげに「Merci(ありがとう)」というシーンが、アンヌの成長を決定づけるワンシーンとなっています。
映画『パリの調香師 しあわせの香りを探して』の魅力②ギヨームとレアの親子関係
映画『パリの調香師 しあわせの香りを探して』は、街並みやフランス人同士の会話がどこかおしゃれで惚れ惚れとしてしまいますが、中でもギヨームとレアのやりとりが微笑ましいです。
ギヨームはとにかく優しい性格で、愛娘・レアと一緒に暮らすためにできることはなんでもやろうとします。
本編では、ギヨームが一緒に暮らせずにいるレアが喜ぶ誕生日プレゼントを決めきれずにいると、アンヌから「連れて行きたい場所に行けば良い」とアドバイスされます。
アンヌによると、ものによるプレゼントはその瞬間で終わってしまうが、思い出は一生残り続けるというのです。
そして、ギヨームはフランス内陸に位置するパリから、車に乗ってレアを海辺へと連れて行くのでした。
生活が苦しい中、車を走らせて海のある街へ連れて行くのはお金もかかるため、ギヨームは娘のために一生懸命できることをやったことが伺えます。
ギヨームとレアが海ではしゃぐ場面は、美しい親子関係に心が洗われること間違いなしです。
映画『パリの調香師 しあわせの香りを探して』はどこで見れる?
画像参照:「シネマトゥデイ」YouTubeチャンネルより筆者キャプチャ
映画『パリの調香師 しあわせの香りを探して』の配信状況をリサーチした結果が、以下のとおりです。
アプリ名 | 映画『パリの調香師 しあわせの香りを探して』の配信状況 |
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U-NEXT | × |
Netflix | × |
Amazonプライムビデオ | ◎ |
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Rakuten TV | △ |
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DMM TV | ◎ |
TELASA | × |
dアニメストア | × |
Disney+ | × |
映画『パリの調香師 しあわせの香りを探して』の配信状況を調査したところ、2024年1月時点で配信しているアプリは以下のとおりです。
映画『パリの調香師 しあわせの香りを探して』を無料視聴できるアプリ
- Amazonプライムビデオ
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まとめ
本記事では、映画『パリの調香師 しあわせの香りを探して』のあらすじをネタバレありでお伝えしました。
嗅覚障害によって仕事を無くした調香師の主人公は、娘と一緒に平穏に暮らすために奮闘する運転手と出会うことで、人として成長し、キャリアを再起させることができました。
正反対の二人が出会うことで生まれた化学反応が、人生を大きく変える映画は、たくさんありますが、本作ではフランス特有の街並みの美しさ、親子愛などが描かれています。
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